解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第67問

高気圧酸素治療の禁忌はどれか。3つ選べ。

a: 肺気腫

b: 緊張性気胸

c: 気管支喘息発作

d: 一酸化炭素中毒

e: コンパートメント症候群

高気圧酸素療法とは、特殊な機器を用いて大気圧より高い気圧環境下で酸素を吸入してもらうことで、病態改善を図る治療方法である。高気圧環境下での酸素吸入は大気圧下と比べて10-20倍の酸素量が体内に取り込まれる。血液内の酸素量を上昇させることで、様々な治療効果が期待される。以下は適応疾患である。
(発症後1か月以内に行う場合に、一連につき7回を限度とする)
  減圧症
  空気塞栓
(一連につき 10 回を限度とする)
  急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む.)
  重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
  急性末梢血管障害
   ・重症の熱傷又は凍傷
   ・広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
   ・コンパートメント症候群又は圧挫症候群
  脳梗塞
  重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
  重症の低酸素脳症
  腸閉塞
(一連につき 30 回を限度とする)
  網膜動脈閉塞症
  突発性難聴
  放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  皮膚移植
  脊髄神経疾患
  骨髄炎又は放射線障害

絶対的禁忌は緊張性気胸であり、相対的禁忌は上気道感染症、CO上昇を伴う肺気腫、胸部X線写真で確認される肺のう胞性病変、胸部ないし耳の手術歴、高熱、妊娠、さらに閉所恐怖症などである。副作用は、中耳、副鼻腔と肺の気圧外傷、近視と白内障、痙攣、減圧症、さらに遺伝的障害 などがある。

a:正解。気道・肺胞系の機械的破綻から肺損傷を引き起こす危険があるため、禁忌とされている。

b:正解。気道・肺胞系の機械的破綻から肺損傷を引き起こす危険があるため、禁忌とされている。

c:正解。気道・肺胞系の機械的破綻から肺損傷を引き起こす危険があるため、禁忌とされている。

d:血中の酸素分圧を上昇させ、一酸化炭素の洗い出すことを目的に治療を行う。

e:血行改善が期待できるため、高気圧酸素療法の適応となる。

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